アークオーディオ 4100SE-TRAD(350,000円/税別)

名エンジニア、ロバート・ゼフ氏渾身の作品


【プロフィール】
カーオーディオ界には名の知れた名エンジニアが何人かいるが、アメリカのカーオーディオ・ブランド、アークオーディオのパワーアンプを設計しているロバート・ゼフ氏もその一人。かつてはザプコのアンプを設計して名声を博したし、実はリーズナブルなのに音が良いと評判が高かった某国産メーカーのパワーアンプも、ロバート・ゼフ氏の設計だったりもした。

そんなロバート・ゼフ氏のサインが刻まれたアンプ、アークオーディオ4100SE(シグネチャー・エディション)をベースに、大幅な改良を加えてさらなる音質向上を図ったのが4100SE-TRADだ。大きく変更したのは、ハイブリッドA級アンプとしたこと。バイアス制御回路を変更してA級動作も可能にしたのだ。また前段の回路も最新のパーツに交換して再構築。ハイエンド音響用部品の中でも選別品のKランクをふんだんに使い、より音を洗練させたという。

【インプレッション】
バランス入力も可能な4100SE-TRADだが、DIATONE SOUND.NAVIとの接続はRCA端子を使いアンバランスで入力した。そのせいか、DIATONE SOUND.NAVIとのマッチングのせいか、やや残留ノイズが気になる。ゲインを少しでも上げると気になるほどで、ゲインを最小に絞った状態で、ようやく気にならなくなる。これは、今回だけの現象ではなく、他の場所で今回の個体とは異なるアンプで試聴した時にも、同様の結果だったということなので、残念ながらDIATONE SOUND.NAVIとの相性は、必ずしも良いとはいえないということなのだろう。

その点を差し引いて、ゲイン最小の状態で聴いた音は、空間表現が印象的。高級ホームオーディオのように、高さ方向の音場がものすごく出る。例えばヴォーカルの音像は、通常は目線の高さに出ているのだが、4100SE-TRADはちょっと見上げる高さに出てくるのだ。これはカーオーディオには有利だろう。エネルギーバランス的には、中域の密度が高く、高域の伸びもいい。低域は締まっているんだけどもう少し量が欲しい感じはある。ただし、引き締まった低音のおかげで躍動感があり楽しい音だ。

音色は、ソリッド傾向。音の立ち上がりが強調される傾向があり、インパクトが強いメリハリのある音になる。魅力的な音だけに、DIATONE SOUND.NAVIとの相性があまりよく無さそうな点が、つくづく残念だ。

【仕様】
■チャンネル:4チャンネル(1chあたり87,500円/税別)
■定格出力:65W×4(4Ω)/110W×4(2Ω)/215W×2(4Ωブリッジ)
■全高調波歪率:0.006%
■SN比:-
■周波数特性:5Hz〜55kHz
■消費電流:2.0A(アイドリング時)
■入力レベル:-
■サイズ(幅×奥行×高さ):393×203×63mm
■質量:-

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Photo/伊倉道男