ブラックス NOX4(420,000円/税別)

色づけのないニュートラルなサウンドが持ち味


【プロフィール】
ブラックスは、ドイツのカーオーディオ専門メーカー、オーディオテック・フィッシャー社の高級カーオーディオブランド。スタートはパワーアンプ用のオーディオキャパシタだが、今ではパアーアンプやスピーカー、プロセッサー類まで、製品ラインナップは多岐に渡る。ヘリックスやマッチも同社のブランドで、ブラックスが、その最上位に君臨する。

NOX4は、現在のフラッグシップ・シリーズ「MATRIX」が登場する前の最上級アンプ、X2000/X2400のいわば後継ともいえるモデルで、X2000/X2400をベースに、MATRIXシリーズの高音質技術を融合させた設計。パワーアンプ部は2パラレルハイエンドMOS-FETで構成。3パラデュアル電源を搭載するなど、電源部にもこだわった。また音質に定評のあるバーブラウンのオペアンプを採用したほか、ゲイン調整回路にもバーブラウンの電子ボリュームを採用。経年変化に強く、調整誤差が少ない設計だ。キャパシタを接続するための専用の端子を設けてあるのもブラックスの特徴だ。

【インプレッション】
見た目は、同社フラッグシップ・アンプのMATRIXシリーズを一回り小さくしたようなデザインだが、音の傾向はちょっと違う。MATRIXシリーズは低音がどっしりした厚く重い音が持ち味だが、NOX4は重さよりもキレの良さが先にくる。MATRIXのような重厚感はないが、エネルギーバランスはフラットで、音色も自然。高域がスッキリと伸びていて、ギターのハーモニクスもヌケが良いので、DS-SA1のトゥイーターの良さが引き出される感じだ。

音色もクセが無くニュートラル。弱点を見つけようと思っても、なかなか見つからない。という意味では「なにも足さない、なにも引かない」をコンセプトとするダイヤトーンのスピーカーの持ち味を引き出しやすい。ただし、スピーカーもアンプも色づけが無いと、あっさりとした音になりがちなのも事実。音楽信号を正確に再現してくれるのだが、音楽的な楽しさは、ちょっと希薄に感じてしまい、個人的には物足りない。このへんは、もう好みの話で、モニター的な正確な音が好みの人にはピッタリだし、味わいのある音、温度感のある音が好みなら、ほかに選択肢があると思う。一言でいえば、普通にいいアンプだ。

【仕様】
■チャンネル:4チャンネル(1chあたり105,000円/税別)
■定格出力:105W×4(4Ω)/180W×4(2Ω)/380W×2(4Ωブリッジ)
■全高調波歪率:0.001%以下
■SN比:105dB以上
■周波数特性:20Hz〜20kHz
■消費電流:3.5A(アイドリング時)
■入力レベル:500mV〜8.0V
■サイズ(幅×奥行×高さ):320×320×56mm
■質量:7.4Kg

ブラックスNOX4のサイト

アークオーディオ 4100SE-TRADのインプレッション
モスコニ GLADEN  class Aのインプレッション
オーディソン HV dueのインプレッション
ブラックス MX4のインプレッション
チェレストラ VA210のインプレッション
DLS TA2のインプレッション
オーディソン「THESIS」HV Ventiのインプレッション
オーディオウェーブ CR-200X JDMのインプレッション






Photo/伊倉道男