DS-G20のトゥイーターをTW-G500に替えてみると?


DS-G500のトゥイーター、TW-G500は単品購入可能。写真は別売のダイレクターも装着
まずはDS-G20のウーファーをそのまま使用し、トゥイーターだけをDS-G500のTW-G500に替えてみる。TW-G500はユニットのみだが、ショートホーン形状のネット付きダイレクター、DR-G500-TW(7,200円/1個・税別)がまた別売で用意されており、これも使用している。クロスオーバーネットワークはDS-G20のもの、そのままだ。



従来のDS-G50(奥)とTW-G500の振動板裏面。ボイスコイルとの接合部の形状を変更
トゥイーターのスペックを比べてみると、周波数特性はDS-G20のトゥイーターが1.5kHz〜60kHzなのに対してTW-G500は1.5kHz〜80kHz。低域側の特性に変わりはないが、高域側がよりスムースに伸びているのがわかる。トゥイーターの低域側の再生帯域に変わりはないから、クロスオーバー周波数が3kHzのDS-G20の付属クロスオーバーネットワークをそのまま使用しても、ほぼ問題ないといえよう。出力音圧レベルはDS-G20のトゥイーターが89dBに対し、TW-G500は88dBだ。

さっそく音楽を聴いてみる。トゥイーターもウーファーもDS-G20の時と比べると、高域の質感がものすごく良くなっているのがわかる。低域がちょっと軽めな点はDS-G500とは異なるのだが、かなりDS-G500に近い音に変化した印象だ。

一般的にトゥイーターを入れ替えると、音色そのものが変わってしまうケースもある。が、この組み合わせの場合、トゥイーターを入れ替えても振動板素材はウーファーと同じNCV。そのため、音色的な違和感はまったくなく、質感だけが大幅に向上する。中高域の解像度が高まって、細かい音がはっきり聴こえてくるようになるし、トゥイーターの高域側がスムースに伸びるようになったから、例えばシンバルの余韻や響きがリアルに近づいたし、声も微妙なニュアンスをより表現できるようになって、生々しさがいっそう高まったようだ。

音のキレの良さはNCV振動板ならでは。例えばスネアのアタック、トランペットの音の立ち上がりなど、レスポンスの良さが大きく影響する楽器の音が、本当に気持ち良くスパッと立ち上がる。なのでNCV振動板を採用したGシリーズ自体が、リズム中心に音楽を聴く人にとってはぴったりのスピーカーだし、トゥイーターの質感と表現力が高まったため、メロディや雰囲気を中心に音楽を聴く人にも、より音楽が響いてくるようになった感じだ。

左右セットだと52,000円で、ダイレクターを加えると66,400円(ともに税別)だから、DS-G20がもう1セット買える出費にはなるが、より良い音で音楽を楽しみたい人にとっては、この音を聴けばけっして惜しくないと思う。むしろ、丸ごとDS-G500にグレードアップするよりも断然リーズナブルにDS-G500に近い音が得られるという点では、お得感が高いのではないだろうか。

DS-G500のページ
CLUB DIATONE